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気に入らないとすぐに癇癪!

こんばんは!今日の放デイブログは癇癪が起きやすいAくんについてです。Aくんは映画を見てる途中に立って踊り出してしまったり、スキンシップの力が強すぎたりすることもある2年生の男の子です。

すぐに癇癪(かんしゃく)が起きるAくん

Aくんは朝からとてもご機嫌でした。プログラムも1つ1つ丁寧に取り組み意欲も高いです。そんなAくんですが、遊びの場面でよく癇癪を起こします。

休み時間ドッチボールで…

今日はドッチボールのチーム分けで希望するチームになれず癇癪を起こしました。さらに、友達からボールを取り上げそのまま動こうとしません。

映画鑑賞中の過度なおしゃべりやダンス

今日は午後から映画鑑賞でした。Aくんは映画鑑賞中にとても大きな声で映画についてのコメントをしてしまったり、音楽がなると立ち上がり踊り始めるといった行動が目立ちました。

遊びの場面でのスキンシップが痛い

Aくんは友達へのスキンシップが強すぎる時があります。「ねーねー」と肩を叩くだけでも殴る勢いで叩いてしまい、お友達から嫌がられてしまう場面もよく見かけます。それが発端となり学校ではよくトラブルが起こっている様です。

対応

今日起こった出来事については以下の様に対応しました。

チーム分けの際に起きた癇癪

この時は指導員全員が癇癪をスルーしました。癇癪に反応してしまうと、子どもの中で「指導員の気を引ける行為=癇癪」という図式が成立してしまうため、基本的に癇癪はスルーで問題ありません。癇癪に対してなだめる様な声かけをすることは危険かなと思います。

映画鑑賞中の行動について

映画鑑賞中の行動については、その都度声かけをして対応しました。大きな声でコメントすることに関しては多少スルーしましたが、踊り出すとプロジェクターの前まで来てしまうため、鑑賞の邪魔にならない部屋の隅っこに呼び出し「こっちで踊り!」という様な声かけをしました。行動を制限させるよりは適切な場所で行動させてあげた方が良いと考えたからです。

お友達へのスキンシップ

これもその都度声かけをして対応しましたが、実際にその都度の声かけでは十分でなかったと感じました。声かけをする時点でAくんはすでにお友達にスキンシップを取っています、つまりお友達が痛いと感じた後なのです。この場合はまずAくんにどのくらいの力が痛いのかを伝えてから遊びの輪の中に入れてあげるべきだったかなと思います。

全てに共通する課題

実はAくんの全ての行動には同じ原因が隠れていました。それは感覚統合の困難さです。感覚統合とは自分の体を認識することで、感覚統合ができると適応力を身につけることができます、つまり場面に応じた力加減も適切にできる様になります。癇癪は感情の力加減がうまくできていないから起こります。映画鑑賞中に起きた行動も感覚統合が不十分で適応力がないためです。強すぎるスキンシップは脳内の力加減のイメージと実際の力加減にズレが生じているため起こります。

感覚統合の鍛え方

感覚統合は基礎運動感覚を養うことで鍛えられます。例えば「でんぐり返し」や「ケンパー」などです。良くハンモックなどを使い感覚統合を鍛えているという話を聞きますが、実際ハンモックで感覚統合を鍛えるのにはかなり時間がかかります。それよりも自分の体を使いながら運動の中で感覚統合を鍛えてあげる方が早く身につきます。

まとめ

  • 癇癪の原因は感覚統合の不十分さから来ていることが多い
  • 感覚統合を鍛えるには基礎運動感覚を養うのが一番早い