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わかりやすい感覚統合

感覚統合とは

脳内でイメージする体の感覚と実際の体の感覚を合わせることを感覚統合と言います。わかりやすく説明すると自分の体のパーツを正しく認識するということです。感覚統合ができると適応力が身につきます。発達障害を持つ子どもは感覚統合が難しく、自分の体を正しく認識できていないことがあるんです。絵に書かせてみるとわかりやすいのですが、指の本数が足りなかったり、首がなかったり、顔のパーツの位置がずれていたりすることが良くあります。そういった場合、脳内のイメージと実際の体の感覚にズレがあると言えるため感覚統合がうまくできていないと言えます。(グッドイナフ検査という絵を書かせる検査もあります。)

感覚統合ができていないと

感覚統合がうまくいっていない子どもは、適応力がないことが多いです。例えば、映画館で大きな声を出してしまったり、真剣な場面でふざけすぎてしまったり、少しのことでとても怒ってしまったりすることがあります。これらの問題はほとんどの場合、感覚統合がうまくできていないから起こります。

ボディイメージ

感覚統合に必要なことは自分の体に実感を持たせることです。ボディイメージを持たせると言ったりもします。ボディイメージを正しく持たせることによって、感覚統合ができるようになり、結果として適応力も身につきます。

感覚統合3つの要素

感覚統合には大きく分けて「触覚」「固有覚」「平衡感覚」という3つの要素があります。

「触覚」

例えば手足の感覚、体のサイズ、顔のパーツの位置の把握などを認識する要素が「触覚」です。「触覚」にズレが起きる子どもは感覚過敏が起きやすく、服の質感へのこだわりなどがあることが多いです。グッドイナフ検査で見られるのもこの「触覚」の部分です。

「固有覚」

力の加減をする要素が「固有覚」です。感情表現との関係性が最も大きいです。例えば癇癪(かんしゃく)を起こす子どもは「固有覚」にずれが生じていて、大きすぎる力で怒りを表現してしまうのです。

「平衡感覚」

体の向きや加速度の感知をするのが「平衡感覚」となります。「一回転した後、自分がどこを向いているのか」や走っている時に歩いているより速いと感じるための感覚です。例えば自閉症の子どもの徒競走を見ていると、走っている最中でも優雅に手を振っていたりする場面が見られることがあります。この場合は自分のイメージする「速さ」と実際の「速さ」にズレが生じているのです。

感覚統合を養う運動

感覚統合療法と言って、感覚統合を養う療育方法があります。感覚統合療法は多くの場合遊びの中に感覚統合を養う動きを取り入れるというものですが、私は運動で感覚統合は鍛えられると考えています。

粗大運動

感覚統合を養う運動の中で一番おすすめなのが粗大運動です。粗大運動とは体全体を使った大きな動きのことで、「でんぐり返り」「匍匐前進(ほふくぜんしん)」「後ろ歩き」などがあります。

  • 動物歩き

「カエルジャンプ」や「うさぎ跳び」なども感覚統合を養うのに効果的です。前向きだけでなく、後ろ向きや横向きなども入れるとさらに効果的です。

  • ステップ

「グージャンプ」「パージャンプ」「グーパージャンプ」「ケンパー」「スキップ」「ギャロップ」も感覚統合を養うことができます。こちらも同じく色々な向きで取り組むと効果が上がります。

まとめ

  • 感覚統合は脳内イメージと体の感覚を一致させること
  • 感覚統合を鍛えることで適応力が身につく
  • 感覚統合を鍛えるには粗大運動が効果的
  • 粗大運動は向きを変えて行うとさらに効果が上がる