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わかりやすいADHD〜注意欠陥と困り感〜

 注意欠陥とは?

ADHDの特性に現れる1つです。多動性と衝動性は合併して現れることが多いですが、注意欠陥に関しては合併しない場合も多いです。注意欠陥は成長の過程で、自覚していくことにより特性をカバーすることができます。

注意欠陥の特徴

注意欠陥は忘れ物や無くし物が多いことが主な特徴です。他にも集中力が極端に続かなかったり、文字を書く場面で誤字脱字が多かったりもします。人の話を最後まで聞けないことも注意欠陥の特徴の1つです。注意欠陥は女性によく見られるADHDの特性です。女性の場合、特性が注意欠陥のみということも多く、その場合はADDという診断名がつきます。

注意欠陥の困り感

忘れ物や無くし物が多く、集中力も持続しません。そんな中で、本人たちはどうして忘れてしまうのか。どうして私は集中できないのか。と言う困り感を抱えています。注意欠陥は特性なので、努力だけで改善できるものではありません。周りが注意欠陥の特性を理解して、適切な支援を提供していくことで困り感を減らしてあげることが可能です。注意欠陥も他の特性と同じく、1番悩んでいるのは本人だということを忘れてはいけません。

注意欠陥を持つ子どもとの関わり

注意欠陥は注意していても、注意がそれてしまうという特性です。しかし、それは本人だけの場合。保護者や支援者の一言で、その子の困り感を減らしてあげることができます。

1つずつ確認し合う

忘れ物や無くし物を減らすために、1つずつ確認してあげることが大切です。例えば「〜と〜と〜を用意してね」と伝えた場合、最後に言われた物しか頭に入っていないことがあります。しかし、「まず〜を用意します。」「できたら次は〜を用意します。」のように1つずつ確認し合うことで、忘れ物や無くし物は減らすことができます。保護者や教員の方は大変と思われるかもしれませんが、時間にして数秒です。数秒で劇的に困り感を減らしてあげられるのです。

チェック表を作る

1つずつ確認し合う作業が定着してきたら、次は自分で確認できるように促していきます。チェック表を持たせ、できたらチェックを入れるようにします。そうすることで、自立の支援にも繋がります。今はスマホのアプリなどでチェック表を持ち歩くことができるので、中高生くらいにはチェック表を使いこなせるようになっているといいですね。

外部刺激を減らす

集中してほしい場面などでは、耳や目から入る外部刺激を減らしてあげることも大切です。明日の持ち物を用意しているときに、気になるテレビが始まれば、ほぼ100%注意がテレビに向いてしまいます。それが、そして注意力散漫なまま準備を終えた結果、忘れ物をしたということになってしまいます。

まとめ

  • 注意欠陥は忘れ物や無くし物が多く、集中力の持続が難しい
  • 努力の問題ではないが、周囲のサポートで困り感を減らすことは可能
  • 女性によく見られる特性

成人している方の中には、自分で特性を理解している方も多くいます。自覚があれば、自分自身を支援することも可能な上に、ミスした時でも「特性だから仕方ない!」と切り替えやすくもなります。子どもの頃から正しく関わってあげることで、将来の困り感を減らすことにも繋がります。